2025年1月から運用が開始された、厚労省の「電子カルテ情報共有サービス」。これは、全国の医療機関がFHIR形式で患者情報を共有できるプラットフォームで、医療DX推進の中核となる仕組みです。
本記事では、電子カルテ情報共有サービスの全体像・対応要件・スケジュール・医療機関が取るべき対応手順を、実務担当者向けに完全解説します。
この記事のポイント
- 電子カルテ情報共有サービスは厚労省が提供する国のプラットフォーム
- FHIR準拠のデータ共有が技術基盤
- 共有対象は「3文書6情報」と呼ばれる構成
- マイナポータル連携で患者も自分の情報にアクセス可能
- 医療DX推進体制整備加算の要件充足にも関連
電子カルテ情報共有サービスとは
電子カルテ情報共有サービスは、医療機関間で患者情報を安全に共有するために、厚生労働省が構築した全国共通の医療情報プラットフォームです。運用主体は社会保険診療報酬支払基金で、2025年1月から段階的に運用が始まっています。
目的
- 救急時・転院時の患者情報の迅速な共有
- 重複検査・重複処方の削減
- 患者の医療データへのアクセス権向上
- 医療全体のデータ標準化
共有対象「3文書6情報」とは
共有の対象となるデータは「3文書6情報」と呼ばれる構成です。
3文書
| 文書 | 内容 |
|---|---|
| 診療情報提供書 | 紹介状として利用される文書 |
| 退院時サマリ | 入院時の診療記録の要約 |
| 健診結果報告書 | 健診・検診の結果 |
6情報
| 情報 | 内容 |
|---|---|
| 傷病名 | 現在の疾患・既往歴 |
| アレルギー情報 | アレルゲン・反応履歴 |
| 感染症情報 | 感染症の罹患履歴 |
| 薬剤禁忌情報 | 使用禁忌となる薬剤 |
| 検査情報 | 検体検査の結果 |
| 処方情報 | 過去の処方履歴 |
これらはすべてFHIR形式でデータ交換されます。
なぜFHIRなのか
電子カルテ情報共有サービスがFHIRを採用した理由:
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 国際標準 | 世界中で医療データの標準規格として採用 |
| Web親和性 | JSON/REST APIで実装容易 |
| 拡張性 | 日本独自のJP Coreプロファイルで地域適合 |
| 将来性 | PHR・研究・AI連携の基盤として発展 |
| ベンダー中立 | 特定ベンダーに依存しない |
📖 関連記事:FHIRとは?医療データ標準化で何が変わるのか
サービスの仕組み(簡略図)
[A病院 電子カルテ] ──FHIR──▶ [電子カルテ情報共有サービス] ◀──FHIR── [B病院 電子カルテ]
│
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[マイナポータル]
│
▼
[患者様]
- 医療機関がFHIRデータをアップロード
- 他医療機関が患者同意のもと参照
- 患者はマイナポータルで自分のデータを確認可能
運用スケジュール(厚労省公表ロードマップベース)
| 時期 | 対象 | 主な施策 |
|---|---|---|
| 2025年1月 | 大病院・中核病院 | 運用開始・先行稼働 |
| 2025〜2026年 | 中規模病院 | 順次接続拡大 |
| 2027年〜 | クリニック規模 | 一般医療機関への展開 |
| 最終目標 | 全医療機関 | 全国医療情報プラットフォーム完成 |
医療機関が取るべき対応手順
ステップ1:現状把握
- 自院の電子カルテがFHIR対応か確認
- 未対応の場合、ベンダーに対応スケジュールを照会
ステップ2:ベンダーとの協議
- 電子カルテベンダーに電子カルテ情報共有サービス対応のアップデート計画を確認
- 必要に応じて**中継システム(アダプタ)**の検討
ステップ3:運用体制の整備
- 情報共有時の患者同意取得プロセスを整備
- スタッフ教育・マニュアル作成
ステップ4:システム連携テスト
- 厚労省のテスト環境で接続テスト
- 実データでの検証・バグ修正
ステップ5:本番運用開始
- 本番接続・運用開始
- 医療DX推進体制整備加算の算定申請
📖 関連記事:医療DX推進体制整備加算の算定要件と対応方法
対応のハードル
多くの医療機関が直面する課題:
既存電子カルテのFHIR非対応
- ベンダーのアップデート待ちが必要
- 古いシステムは対応外となる可能性
- 乗り換えコストの発生
同意取得プロセスの整備
- 患者様への情報共有の同意取得が必要
- 従来の包括同意では不十分な場合も
スタッフの教育・運用変更
- 新しいシステムへの慣れ
- 業務フロー変更への対応
ヘルスインタビューでの対応
ヘルスインタビューは、電子カルテ情報共有サービスへの対応を支援する機能を提供しています。
貢献ポイント
| 課題 | ヘルスインタビューの解決策 |
|---|---|
| FHIR対応 | 標準搭載のFHIR準拠データ出力 |
| 同意取得 | ダイナミックコンセントで個別同意を自動取得 |
| 監査対応 | ブロックチェーンで改ざん不能の履歴保全 |
| 運用コスト | クラウド型で追加インフラ不要 |
※ 直接的な電子カルテ情報共有サービスへの接続は、既存電子カルテベンダーとの協業で実現されます。ヘルスインタビューはそのデータ基盤としての役割を担います。
よくあるご質問
Q1. 電子カルテ情報共有サービスへの対応は必須ですか?
A. 段階的に必須化される見込みです。2025年は大病院中心ですが、2027年以降はクリニック規模にも展開されます。早期対応が有利です。
Q2. 既存の電子カルテがFHIR非対応ですが、どうすればよいですか?
A. **中継システム(FHIRアダプタ)**を導入することで対応可能です。ヘルスインタビューは主要電子カルテとの連携実績があり、ケースバイケースで最適な連携方式をご提案します。
Q3. 電子カルテ情報共有サービスとマイナポータルの関係は?
A. 電子カルテ情報共有サービスに蓄積されたデータは、患者様がマイナポータル経由で閲覧できる仕組みです。患者のPHR活用を支える基盤となります。
Q4. 患者への同意取得はどうすればよいですか?
A. 従来の包括同意では不十分な場合があります。ダイナミックコンセントで利用都度の同意を取得することが、法的リスク回避の観点で推奨されます。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 対応内容により大きく異なります。FHIRアダプタ導入の場合、**月数万円〜**が目安です。ヘルスインタビューは初期費用0円・月額36,000円〜で、FHIR対応機能が標準搭載されています。
Q6. 対応によるメリットは何ですか?
A. 医療DX推進体制整備加算の算定・紹介/逆紹介の効率化・重複検査削減によるコスト低減などが期待できます。
まとめ
電子カルテ情報共有サービスは、医療DX推進の基幹インフラです。対応は段階的に必須化される見込みで、早期対応が競争優位につながります。
本記事の要点
- 厚労省が提供する国のプラットフォーム
- FHIR準拠のデータ共有が基盤
- 「3文書6情報」が共有対象
- マイナポータル連携で患者もデータにアクセス
- 医療DX推進体制整備加算の要件充足にも関連
- ヘルスインタビューはFHIR対応・同意管理で支援
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